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WORK VISION
2030

2030年の日本における

都市生活者のワークスタイル/ワークプレイス

​制作期間:2021年4月〜11月(7ヶ月)

​制作人数:7人

​担当:ファクトシート収集/ドライビングフォースの抽出/シナリオ/誌面構成

2030年のワークスタイル/ワークプレイスのシナリオを描いたリサーチレポート

このプロジェクトはこれから働く世代に「将来どんな働き方をしたいか」を考えるきっかけを作る目的で未来の働き方のレポートを作成した。シナリオプランニングという手法を用いて、国内外の幅広いニュースソースから300件以上の兆し事例を収集・分析を行い、思考を刺激する4つの未来シナリオを描いた。若い世代にも届くように、それぞれのシナリオでのワークスタイル・ライフスタイルをイラストを用いて表現し、ライトで読みやすいレポートにした。現在は紹介、Webサイト、イベントを通じて発信している。

​4FUTURE SCENARIOS

本プロジェクトでは、不確実性の高い軸として「優先される価値観:経済価値⇔社会価値」「価値創造プロセス:高度化⇔民主化」を抽出した。

 

一つ目の軸「優先される価値観:経済価値⇔社会価値」については、現在、問題視されている気候変動の深刻化や経済格差の拡大によって、利益追求一辺倒ではない、新たな社会的価値を求める動きを考慮している。地球、ワーカー、消費者、サプライヤー、あらゆるステークホルダーを考慮にいれた新しい経済活動への転換が図れるかどうかが大きな分岐点になっている。

二つ目の軸「価値創造プロセス:高度化⇔民主化」については、社会変化を推進する価値創造がどのようなプロセスで行われるかに注目している。それらの機能を一部の企業がクローズに有する権力集中型の社会と、誰もが価値創造のプロセスに参画できるオープンで権力分散型の社会が成立するかが分岐点になっていると考えた。

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​パーソナライズド・ギグワーク社会

あらゆる個人データがスコア化され、社会に広く共有されることでライフスタイルやワークスタイルが高度に効率化された社会。AIによって日々の選択がレコメンドされ、また仕事の多くがギグワーク的に配分されることで効率的な経済活動が行われる。

コンペティティブ・プロフェッショナル社会

現在の大企業がさらにコングロマリット化し、より統合されたプラットフォームによって充実したサービス体験が提供される社会。一方、大企業への就職をめぐって競争が激化、ロールモデルが画一化し、幼少期からの教育熱にも拍車がかかる。

ハイパーローカル・アマチュア社会

生活の基盤がローカル社会に移動し、人々は小さく綿密なコミュニティの中で生活し、身の回りの生活インフラすらもコミュニティ内で自給自足できる社会。コミュニティの中でひとつの役割に閉じず個人の能力を多方面に発揮する。

​グローバル・ストーリーテラー社会

政府や大企業がグローバルで社会問題解決に注力し、手厚い社会保障が提供される社会。ワーカーも企業人である前に一個人として社会参画意識が高まり、アクティビスト化することで企業や社会を動かす原動力になっていく。

​経済価値

​社会価値

​民主化

高度化

WORK STYLE ・ LIFE STYLE

導き出した4つの社会におけるワークスタイルについてそれぞれ検討し、

いくつかの具体的な案をビジュアル化した。

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PROCESS

近年の社会情勢は変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んでいる。

このような時代ではいち早く社会変化を捉え、対応していくことが必要になる。

私たちのゼミでは専門であるワークスタイル/ワークプレイスをテーマに

シナリオプランニングを行うプロジェクトをスタートさせた。

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ファクトブック作成

今回、採用しているシナリオプランニングという手法は、未来を直線的に考える「フォアキャスト」ではなく、未来から起こりうる複数のシナリオを「バックキャスト」で整理するものである。最初のステップとして、シナリオ創出のベースとなる、 現在起こっている兆し事例や統計情報などの「ファクト」を計 309 件収集し、環境分析のフレームワークである SEPTEmber-5Forces を基に分類・分析を行った。特に今回は、通常のミクロ環境分析に用いる 5Forces をよりワークスタイル/ワークプレイスに寄せ、「価値観提供 プレイヤーの変化、ワークスタイル(働く人の価値観・仕事観、働く環境、働く組織)、ライフスタイル」に変更している。ここでは見えてきたマクロ環境/ミクロ環境の各カテゴリーの変化の方向性をまとめている。

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​ドライビングフォースの構造化

マクロ環境/ミクロ環境で分類されたファクトを、カテゴリーを超えて共通する方向性でグルーピングし、それらを未来への推進力である「ドライビングフォース」として抽出した。さらにそれぞれのドライビングフォースを2030年までに起こり得るかどうかの確実性によって構造化を行っている。ほとんどのドライビングフォースは時間軸を無視すれば、いずれは実現されるものばかりだと思われるが、今回は2030年までに実現され、キャズム理論におけるアーリーアダプター層にまで、浸透しそうかどうかを判断基準として不確実性の大小を分けた。最終的に不確実性の高いドライビングフォース群の中で、相反する未来の方向性として、2つの軸を抽出した。1つ目は、価値創造のプロセスが、開かれた民主的なものなのか、それとも閉じられた特権的なものかという軸。2つ目は、共有されるプライオリティのv高い価値観が、金銭的な価値を重視するものか、社会的なイシュー解決を目指すものかという軸であるこれら2 つの軸を掛け合わせ、4つの未来シナリオを描いていく。

未来シナリオの軸

不確実性:大

不確実性:小

確実

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未来の分岐点

SDGsなど環境をはじめとする様々な社会課題解決に向けた動きが加速すること、また技術の進展に伴い新たな働き方が次々と生まれることは確実だと考えられるが、その中で人々が何に価値を見出し、その価値をどのように追求していくかというプロセスによって未来の生活の在り方は分岐する。一方、働き方や日常生活において個人を尊重することが重視されると、経済的価値よりも一人ひとりの社会的価値を意識した働き方やサービスなどの導入が拡大すると考えられる。これらの価値を創造するにあたり、あらゆる情報がオープンな形で扱われ、個々人に権力を分散させるのか、あるいは高度化が進み特定の組織が力を持つのかが社会形成の分かれ目となるだろう。

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